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小池百合子氏の答弁拒否などについて 弁護士 岡村実

小池百合子氏の答弁拒否などについて

                               岡 村   実

 東京都知事選の選挙運動も序盤から中盤にさしかかり、小池百合子氏、蓮舫氏、石丸伸二氏など候補者の討論会も行われ、白熱してきているようです。

 2024年6月28日現在、各種調査等によると小池百合子氏がリードしているとのことです。一都民としてそのような状況が納得できずこのブログを作成しています。

1 東京都議会の非民主的状況

 2024年3月13日東京都議会予算特別委員会で立憲民主党の関口健太郎議員が、小池都知事の答弁の在り方に疑問を呈しました。

 「知事に対して厳しい質問をしたり、耳障りの悪いことを言う議員には76%の確率で拒否している。結果をみれば答弁拒否どころか答弁差別ですよ。知事の耳障りの悪いことをいう議員の質問は排除するのですか。」

 実際に都民ファースト、自民、公明、の議員の質問に対しては100%自分で答え、立憲民主や共産党などの質問、例えば知事の学歴詐称に関する質問に対しては、知事にしか答えられない質問なのに政策企画局長等に答えさせてきたのです。税金の無駄遣いとして問題となっているプロジェクションマッピングに関する質問、都知事を指名しての質問に対しても政策企画局長に答えさせるのです。
 
 関口議員の指摘は極めて正当だと思われます。都民の代表である議員の質問に対し都知事は真摯な姿勢で回答すべき義務があるはずです。答弁差別ではないかとの質問に対してもやはり小池百合子氏は答えず代わりに政策企画局長が「答弁拒否や答弁差別にはあたりません」と回答していました。

 その上、3月26日、予算特別委員会で上記関口議員の発言の取り消しと関口議員の除斥を求める動議が都民ファースト、自民、公明から提出され可決されました。答弁拒否、答弁差別、答弁拒否率という言葉を13回も繰り返しており、不穏当だというのです。

 最大限、表現の自由、発言が認められるべき議場において、このような理由で発言の取消、議員の除斥の動議を提出し可決するなど暴挙と言わざるを得ません。この東京都議会の様子はYouTubeで「小池百合子」「関口健太郎」で検索するとすぐでてきます(都議会・予特委が大荒れ「知事厳しい質問に応じず」発言取り消しへ)。ぜひご視聴いただきたいと思います。

2 学歴詐称など

 小池百合子氏の経歴として1976年エジプトカイロ大学を日本人女性として初めて卒業した、しかも首席で卒業したということが語られています。本人の著書にも記載されています。しかしこの経歴が詐称であると強く疑われています。

 「女帝 小池百合子」は2021年に第52回大宅ノンフィクション賞を受賞した作品ですが、同作品には、小池百合子氏がカイロ大学を卒業していないと記載されています。作者の石井妙子氏が、カイロ時代の小池百合子氏の同居人北原百代さん(単行本では仮名で早川玲子さん。2023年11月の文庫版出版にあたり実名を明らかにされました。)や小池氏一家をカイロ時代に面倒を見ていた朝堂院大覚氏らに取材し、小池百合子氏がカイロ大学を卒業していない事実を明らかにしています。

 石井妙子氏らに名誉棄損罪等の法的手段をとっていないこと、東京都議会などでも疑問(一年、留年したと著書で書いておきながら4年で卒業したことになっていることなど)に対し明確に答えていないこと、都議会への卒業証書の提出をかたくなに拒んでいることなどから、小池百合子氏が正規にカイロ大学を卒業していないことはほぼ間違いないと思われます。

 小池百合子氏は、都知事として、この重大な疑惑にたいし説明責任があると考えられますが、その責任を果していません。

3 神宮外苑再開発問題

 神宮外苑再開発計画は、2023年2月に東京都の施行認可を得た計画です。しかし、再開発計画の中身が明らかになるにつれ、神宮外苑の大量の樹木を切り倒し、超高層ビルの建築を進めるものであり、環境破壊につながる、再開発が三井不動産など開発業者本位にすすめられているなどの批判がされるようになりました。ユネスコの諮問組織のイコモスは、再開発計画には根本的な欠陥があると指摘しました。この問題についても小池百合子氏は説明責任をはたしていないと批判されています。

 6月24日に小池百合子氏、蓮舫氏、田母神俊雄氏、石丸伸二氏ら4候補のネット討論会が東京青年会議所主催で行われました。この討論会でも質問に対し誠実に回答しようとしない小池百合子氏の姿勢が強く現れました。

 神宮外苑再開発計画に関連し、小池百合子氏、蓮舫氏、石丸伸二氏らの間に次のようなやり取りがありました。

蓮舫氏「まさか、外苑の再開発の事業者から、パーティ券のチケットの購入など受けていませんよね。」

小池百合子氏「パーティの開催につきましてはそれぞれ法律にのっとった形で公表させていただいています。その様な形で公開もさせていただいているところでございます。」

石丸伸二氏「いや、今の蓮舫さんの質問はイエスかノーで答えられる質問なので、イエスかノーで答えていただきたいとおそらく視聴者の全員が思ったと思いますので、もう一度お願いします。」

小池百合子氏「はい。あの私は、これまで、政治のパーティという形で、様々な方からご意見を伺うとともにご協力をいただいています。それは法的にのっとって進めさせていただいています。」

司会者「ぼくもよくわからないのですが、それはイエスということですか。」

小池百合子氏「様々な方にご協力いただいています。」

 少し、引用が長くなりましたが小池百合子氏の質問に誠実に答えようとしない姿勢が強く出ていると思われましたので引用しました。下記動画の38分位のところから神宮外苑に関する議論がされています。
【ノーカット版】子育て政策、行革アピール 4候補者がネット討論会 都知事選 (youtube.com)

4 まとめ

 1992年初めて国会議員になってから32年間、経歴詐称をしてきた可能性の極めて高い小池百合子氏を自民党、公明党、連合等が支援している状況、そして都知事選に勝利するであろうと言われている状況が不思議でなりません。

 小池百合子氏の側近であり、都民ファーストの元事務総長であった弁護士小島敏郎氏が、学歴詐称に関連し、公職選挙法違反(虚偽事項の公表)で小池百合子氏を刑事告発しました。

 また都民ら175人も、東京都内52首長らが小池都知事に出馬要請したこと(実際には、都知事側から首長らに事前に支援要請があったとのことです。)に関連し、小池百合子氏を公職選挙法違反(公務員の地位利用)で刑事告発しました。

 小島敏郎氏及び都民ら175人の行動は、上記のとおり、多くの問題を持つ小池百合子氏を三度、都知事にさせてはならないという使命感に導かれた行動であると考えます。

 小池百合子氏の支援者には申し訳ありませんが、一都民として小池百合子氏の三選ならずという結果を強く希望しています。

以上