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減っていく公衆電話 弁護士藤田陽子

【ある日の出来事】
霞ヶ関駅近くを歩いていたところ、外国人の方から、英語で、公衆電話はどこにあるかと聞かれた。
私は英語が得意ではない。言っていることは何となくわかることがあるものの、話すことは苦手である。
その上、最近は公衆電話の数が少なくなり、どこにあるかすぐに思い出せず、質問に対する回答もすぐにわからなかった。
どこにあったかと思いながら周囲を見渡していたところ、弁護士会が近くにあり、弁護士会の地下1階で見たことがあったなと思う。
ただ、今も存在するのか確信が持てない。
でも他にどこにあるか確実にわかるわけでもない。
たぶんこの建物(弁護士会館)の地下1階にあると、英単語混じりの8割方日本語と身振り手振りでなんとか外国人の方に伝えた。
その後期日へ出席し、終了後、弁護士会館の地下1階に公衆電話があるか不安になり見に行った。
あった。よかった。

【減っていく公衆電話】
携帯電話が普及したことにより、公衆電話の数はかなり少なくなりました。
公衆電話に設置基準があるのか調べてみると、総務省によれば
公衆電話は、社会生活上の安全及び戸外における最低限の通信手段を確保する観点から、公道上、公道に面した場所その他の常時利用することができる場所又は公衆が容易に出入りすることができる施設内の往来する公衆の目につきやすい場所に、市街地においては概ね1km四方に1台、それ以外の地域においては概ね2km四方に1台という基準に基づき設置されるとのことです。

公衆電話といって思い出すのは、東日本大震災のときに、携帯電話が通信障害のためにつながらず、公衆電話に長蛇の列ができたことです。
当時は、市街地で約500m四方に1台、それ以外の地域で1km四方に1台の設置が義務付けられていました。
現在の設置基準では、東日本大震災時の4分の1くらいになるとのことです。
そうすると、災害時の公衆電話へのアクセスが難しくなります。災害時に携帯電話が繋がらない、充電残量がないなど何らかの事情で携帯電話が使えないなどの場合の連絡手段はどうなるのでしょうか。
これについては、災害時用公衆電話が避難所等に事前・事後に設置されるとのことですが、避難所等にすぐアクセスできない場合もあるでしょう。
公衆電話には維持費もかかるので、設置数を減らすなというのも難しいですが、災害時のことを考えると数が少なくなるのがいいのか難しい問題です。

さて、最初の外国人の方への回答はどうすればよかったのでしょうか。
You can find a public phone in the basement.(地下に公衆電話があります。)