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はじめての皮膚科受診 その1

2020.1.19

 はじめての皮膚科受診は、1年ちょっと前のことであった。

左の手のひらをひろげて右肩にあてる。肘を少しあげて、指の先を背中の方に下ろしていくと、中指の先にそれはあった。表面の皮の下に、小豆よりひとまわり小さい大きさと形、ナタデココくらいの弾力。手鏡をあて、姿見に斜めに背中をむける姿勢にして目を懲らしてみるが、よく見えない。中指で押してみる。存在感はあるが、痛みはない。2年くらい前に偶然気づいた。いつからあるのかわからない。ネットで検索してみたら、似たようなできものは何種類もあった。手術で取り出すような記事もあった。痛いのはいやなので、そのまま放置していた。

おととしの12月、ときどきやるようにふと中指がそれに触れた。しかし、いつもと違って、引っ掻いてしまったようだ。翌日シャワーを浴びたときにしみるような痛みが走った。何となく熱ももっているようだ。皮膚科で手術、なんていうことになるかもしれない。どうしよう。

明日は、金曜日だ。地方の裁判所で行っている医療過誤訴訟で、依頼者である原告本人と被告医師の尋問が予定されている。朝早く出発して戻るのは夜になる。明日皮膚科に行けないとしたら、土日に救急に飛び込むのはよくないから、次に受診できるのは月曜日。日が空きすぎる。炎症がどんどんひどくなったら・・・。今日行くしかない。

自宅近くに皮膚科の診療所はない。事務所の近くで探す。ネット検索をしてみる。皮膚科といってもいろいろだ。アトピー、アレルギーなど表面のトラブルもあれば、表面の皮の下にできた瘤状の得体の知れないものもあるし、美容系もある。手術もありうると考え、手術ができる皮膚科診療所を探す。あった。事務所からそう遠くない距離だ。何人かの医師がいるらしいが、今日は女性の医師が担当のようだ。今日手術と言われたらどうしよう。明日の尋問に影響はないかとよぎるが、来週の月曜日まで放置する度胸もなく、意を決して受診することにした。ネットで予約ができる。す、すごい。空いている時間帯に予約を完了。

気持ちを落ち着かせるために、予約時間に合わせて事務所から歩いて行く。商店街からちょっと入ったところのビルの1階にあった。けっこう新しそう。ドアを開けると目の前に受付のカウンターがあり、女性が2人、適度な笑顔で挨拶をしてくれた。医療機関だから、ニコニコ過ぎるのも、ぶっきらぼうなのも困るなと思っていたが、柔らかな笑顔でほっとする。

予約した者だと告げると、問診票を渡された。余り広くない待合室で、患者さんは私の他にひとりだった。ソファに腰掛けて書こうとしたら、ソファではなく、1人用の四角いスツールが、壁際に一定間隔で並べられていた。ちょっとこれはいただけない感じ。皮膚科だから、身体の具合のよくない患者さんはいないからか?

問診票の、いつからどんな症状で困っているか、アレルギーはあるか、他に治療している病気があるかなど、型どおりの質問に対して順番に答えを書いていく。以前、アレルギーはあるかの質問でどの程度のものを書くのか迷って、医師にきいたことがあった。春になると、鼻がむずむずするので花粉症かなと思うが、たいしたことはないので医者に行ったことはない、これは書いた方がいいのか? すると、そのときの医師は、「そんなのはよくあることなので,書かなくていいです」と答えた。それで今回の皮膚科の問診票で、アレルギーは「なし」に○をつけた。

最近ではサプリメントの質問もある。サプリメントは、あまり人に言いたくない。しかし、薬との関係で問題が生じることもあると聞く。素人判断で関係ありそうなものだけを書く。よい子の皆さんはまねをしないでくださいね。

ほどなくして名前を呼ばれる。予約制なので待ち時間は少なく、だからスツールでよいということか、と思いつつ、意を決して立ち上がった。

(つづく)

石川順子