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法律事務所の広告問題  弁護士 小峰将太郎

 以前、借金問題についての弁護士事務所の広告について、一部の形式の広告が問題となっていることを述べた。その内容は「国が認めた特別な方法」と銘打ち、「借金減額診断」「借金減額シミュレーター」という形式の広告の問題性である。これらの広告を出している法律事務所が現実に行っているのは、一般の法律事務所もおこなっている、任意整理手続、あるいは、自己破産手続、個人再生手続をしているに過ぎない。「国が認めた」という言葉、「借金減額」という言葉、これらはそういった手続を想起させずにいかにも裏技があるかのような記載として問題視されていた。
私が所属する法律相談委員会を含めて、東京弁護士会、日弁連などが弁護士事務所の上記の形式の広告問題に取り組んでいたところ、弁護士会において先日とある指針が出された。
 「借金減額診断」「借金減額シミュレーター」とする広告について、本年(2026年)2月19日に規程の変更がなされ、これまで規制の対象であった「誤認の恐れのある広告」に「借金減額診断」が追加された。違反広告の細かな点について指針の文章がかなり長いので、ここでは割愛するが(※正式な文書については文末にURLを載せておく)、概ね弁護士会において事態は好転したと言える。この指針は本年4月1日から施行されている。今後は、広告を誤認して任意整理などに高額の弁護士費用を支払う相談者の方々は減っていくだろうとの見込みだ。https://www.nichibenren.or.jp/library/pdf/jfba_info/rules/other/shishin_kaiki_44.pdf

他方で、この指針が打ち出されたことですべてが解決するわけではない。
 そもそも、弁護士が広告費を出して自分の事務所を売り込むこと自体は基本的に自営業者である以上、悪いということではない。しかし、今回のようなケースは市民を誤認させるおそれが大きいとして制限されることになった。もっとも、こういった広告に対して何らか制限を設けたとしても、その制限に反するわけではないが問題がありそうな広告というものは出現する。今回の指針でダメだとされた広告についても、弁護士会は明確な基準・規程を作ってそれを決めた。そうである以上、規程の趣旨には反しているかもしれないが、規程の明確な文言には反してはいない、という更なるグレーの広告が出てくることがある。

 今回は施行から日が浅いため、分析が甘い部分はあるが一部の広告が弁護士事務所において出せなくなったこと、及び、それでもまだ残る法律問題に苦しむ市民と法律専門家の出す広告について記載した。私も法律相談委員会広報・クレサラ部会の一員として、この問題の解決に取り組んでいきたい。

以上